<ご案内>
第104回プラットフォームセミナー
「ベトナムにおける農村開発:資源循環と仲買人/Rural Development in Vietnam: Resource Circulation and role of middlemen」
1月18日(木) 15:00~17:00
(東京大学本郷キャンパス東洋文化研究所612号室)

2018/01/12

このたび、ベトナムの農村において新しい技術の普及に重要な役割を果たしている仲買人に注目し、その開発論的な意味について考えるセミナーを開催します。
ふるってご参加ください。なお、報告は英語で行います。

日時 2018年1月18日(木)15:00-17:00
会場 東洋文化研究所612号室MAP
講師 グエン クオック ダット (バイオサン代表取締役社長)
内山健太郎 (修電舎 海外事業企画マネージャー)
概要 本セミナーでは、「内城土壌菌」を用いてベトナムの農水産業の持続と循環型社会に資する農村開発の事例をとりあげる。「内城土壌菌」は廃棄物を再利用し、地域環境を健康に保つ鍵として昭和30年代に内城本美が開発し、長期にわたって日本の農業現場で使用されてきた。3年前よりODA事業を介してベトナムの農村に応用され、化学肥料の使用過多や河川汚染などの環境問題解決の可能性が模索されている。
本セミナーでは、この技術の普及に大きな役割を果たす「仲買人(middlemen)」の役割に注目し、彼らが外来技術に伴うリスクや不確実性の低減にどのような機能を果たしているかを議論する。資本と知識の両面で劣る農民は、仲買人から搾取されやすい立場にあるため、新しい技術や肥料を導入するよりも現状維持と安定性の確保を優先してきた。そのため、農民側がいかに仲買人に対抗するか、という視点からの研究が多かった。だが、ベトナムの現場では、農民に働きかける仲買人の「戦略と選択」が農民の生産性の向上に貢献していることが明らかになってきた。本セミナーでは、ベトナムの南部のチャービン省を拠点に農村開発に取り組む
Nguyen 氏と、日本からベトナムに内城菌を持ち込んだ内山氏の二人の仲買人が事例を発表し、農村における新技術の普及過程とその開発論的な意味を、来場者を交えて討論する。