【3/28更新】『人道的危機とCOVID-19』GSDMシンポジウム(全3回)
(2021年度10月-11月-3月)

2022/03/28

 COVID-19による多数の死者は、このパンデミックの一側面に過ぎません。今回の新型コロナウイルス感染症の大流行へ対応していく中で、今まで見えなかった構造的なリスクや脆弱性が様々な分野で明らかになり、増大しています。これは特に人道的レベルで言えることです。例えば、世界各国の政府が渡航制限を導入し、援助関係者や難民などの個人が国際移動できなくなったことによる「移動危機」が発生し、それによって政治的危機が悪化しました。さらに、人種(アジア人差別など)、性別(家庭内暴力など)から国・地域開発等、あらゆるレベルにおいて様々な不平等が浮き彫りになり、深刻化しています。
 このような背景のもと、この全3回のオンラインシンポジウムでは、関連分野の専門家による基調講演と東京大学内の研究者による発表、参加者全員での活発な議論を通じて現在のパンデミックがもたらした人道的な影響や側面について洞察を深めていきます。
Symposium pamphlet
■For inquiry: stu.com.gsdm(at)gmail.com
 Organisers: Maximilien Berthet and Saeko Kawataki, GSDM Student Committee

 
Session 1:「パンデミックにおいて人道的危機に立ち向かう」
<終了しました>
ポスターはこちら
本シンポジウムの第1回セッションでは、著名なエンジニアであり起業家・人道活動家である高永賢博士(Dr. Albert Ko)をお招きし、コロナ禍における最新の人道的プロジェクトの中から、成熟した科学技術が貧困下の人々の生活をどのように改善できるのかご紹介いただきます。再利用可能かつ透明な抗ウイルスフェイスマスクの開発によって難聴者のバリアフリーコミュニケーションを促進し、国際的に高い評価を得ている一例や、モバイル紫外線滅菌システムの開発によって香港の分譲住宅の消毒に成功した一例などについてお話いただく予定です。高博士は国境なき医師団の一員として、南スーダンやインドネシアなどの複数の現場で活躍された後、2009年にINSIGHT Roboticsを設立し、世界で最も精度の高い山火事検知ロボットを開発されました。現在は、香港の嶺南大学大学院の准教授であり、社会起業家精神とイノベーション・マネジメントの修士課程のプログラム・ディレクターを務められています。
本セッションでは、ロベルト・オルシ先生がディスカッションを行います。

日時: 2021年10月11日(月)18:00-19:45
場所: オンライン(Zoom) 参加登録はこちらから。
東京大学の学生・教員の方はこちらからご登録ください。ご登録いただいた方には、ZoomのURLをお送りします。

◎Session 1は終了しました。サマリー(英語のみ)をこちらに掲載しました。

 

Session2:「COVID-19に関連した人道的危機の克服のために、どのような戦略が必要か・どのような戦略が取られているかを理解する」
<終了しました>ポスターはこちら
本シンポジウムの第2セッションでは、公衆衛生分野の著名な研究者である神馬征峰先生をお迎えし、神馬先生の研究の中から国際保健に関する最近のプロジェクトについて共有していただきます。神馬先生は、ガザ地区に最初のWHO事務所を設立し、1994年からWHOのガザ地区・ヨルダン川西岸地区のWHO事務所長、1996年から国際協力事業団ネパール事務所公衆衛生専門家を務められ、途上国の保健・医療の基盤の構築に貢献されました。2006年から東京大学大学院医学系研究科国際保健学教室の教授を務められ、アジア、アフリカ、ラテンアメリカにおける公衆衛生の研究をされています。日本国際保健医療学会の会長を務められています。
また、ディスカッサーとして、東京大学工学系研究科から岡村梢さんをお招きし、学生主導プロジェクト「COVID-19パンデミック下の中小企業サポートプロジェクト」の研究成果について紹介いただきます。岡村さんは化学システム工学専攻の博士課程に在籍しており、リーダーシップと優れた研究業績によって「GSDM Student Effort Award」や「工学系研究科長賞(修士)」を受賞されています。

日時: 2021年11月18日(木)18:00-19:45
場所: オンライン(Zoom) 参加登録はこちらから。
東京大学の学生・教員の方はこちらからご登録ください。ご登録いただいた方には、ZoomのURLをお送りします。

◎Session 2は終了しました。サマリー(英語のみ)をこちらに掲載しました。

 

Session 3:「しなやかな社会システムの構築と国際協力を通し、将来の人道危機をどう防いでいくか考える」
<終了しました>ポスターはこちら
本シンポジウムの第3セッションでは、東南・東アジアセンター(SEEAC)事務局長の林茉里子さんをお招きし、林さんの地域的/国際的な人権擁護活動のご経験、中でも「移民問題」に携わる中でのご経験を共有していただきます。SEEACはもともとイギリスで暮らす東南アジア、東アジア出身の移住者、主に移住労働者や難民・難民申請中の方々が自助活動を行っていたところに原点があり、2020年にロンドンで正式なNGOとして発足しました。
また、林さんは東アジアおよび東南アジアにおける移民の権利を擁護する地域横断的ネットワークであるBEBESEA (Better Engagement between East and Southeast Asia)の共同創設者でもいらっしゃいます。
本イベントでは、西澤利朗先生にディスカッションを行っていただきます。
コロナ禍が移住者にもたらした問題が浮き彫りになる中、様々なステークホルダーが専門性や立場の違い・利害関係を超えていかに協力しあえるのか、専門家からお話を聞きつつ活発な議論ができれば幸いです。

日時: 2022年3月18日(金)18:00-19:45
場所: オンライン(Zoom) こちらからご登録ください。
ご登録いただいた方には、ZoomのURLをお送りします。

◎Session 3は終了しました。サマリー(英語のみ)をこちらに掲載しました。